診療活動

術前診察

私たち歯科麻酔医は手術を受ける患者さんが安全に手術・麻酔を受けていただくため、術前診察を行っています。

患者さんに関する医学情報は主治医や看護師より伺っておりますが、周術期管理(術前・術中・術後)の管理を担当する歯科麻酔医の専門的観点から患者さんの医学的な情報をお聞きし、診察を行っています。診察に関しては全身診察はもちろんですが、気道を管理する立場から、頭、顔、首、口の中、喉の奥など入念に診察します。

私たちは外来や病棟では患者さんの診察に多くの時間をかけています。患者さんが術前に心配に感じていること、不安に思っていることなどをお聞きすることにより、患者さんに適した快適な周術期の環境を構築いたします。診察後は麻酔科のメンバ―が集まりカンファランスを行い、入念な周術期管理計画を作成し、手術・麻酔に望んでいます。


手術室

私たち麻酔医は手術が始まる前から麻酔のための準備をおこなっています。

歯科口腔外科の麻酔は気道管理に問題のあるケースが多く、私たちは通常の気道管理よりも厳密な管理が行えるように日々努力をしております。特に気道管理ディバイスはすべての麻酔医がその使い方に周知し、多くのスタッフが気管挿管などの様子をチェックできるよう、その様子を大型ディスプレーに映し出し情報の共有を行っています。気管挿管、特に経鼻気管挿管に関して我々はこだわりを持って様々な方法でアプローチします。

手術中は患者さんの全身状態・手術の内容に応じた様々なモニタリングを行います。それらの記録は常に麻酔医が確認しています。また様々なモニターからの情報を概ね5秒単位で取り出し記録する電子麻酔記録paperChartを本格稼働しています。また我々はこれらの多くのデータから常に次の行動に移れるように対策を考え麻酔管理を行っています。

手術が終わり麻酔から覚めるとき、患者さんに負担のないやさしい覚醒を目指しています。チューブによる刺激や嘔気や嘔吐の発生や術後のシバリングがないように注意しながら、麻酔から覚醒するように心がけています。手術の場所が口腔内であることから、口腔内のことについて詳しい歯科麻酔医は麻酔覚醒時の口腔内の確認を行います。


術後回診

当たり前のことですが、麻酔手術が終了した後に、麻酔を担当した歯科麻酔医はもちろんのことチーム全体で患者さんの様子を見に行きます(術後回診)。術後疼痛・嘔気・嘔吐・のどの痛みなど、術後起こりやすい問題についてフォローを行います。その他の全身的合併症について、その症状が重篤にならないように注意深く患者さんを診察します。また術後回診の記録はデータベースに記録して術後回診録を必ず作成して記録を残します。

診療録の電子化

 本院では電子カルテは本格稼働していませんが、平成27年4月以降全身麻酔を受ける患者さんのデータの大部分は麻酔周術期管理記録としてすべてデータベース化して管理しています。